Midnight Note

明日はどこまで行こうか。どこまで行けるだろうか。

「労働は美徳」?それとも「懲罰」?

ども、Mistirです。
電車の中で、こんな広告を見かけた。

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www.facebook.com

 

僕、これを最初に見たとき

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って思ったんですよ。
まず、一行目。

会社を使って自分の人生を磨く。

ここに何も違和感は無いです。会社なんて利用するものだろう、という考え方です。

ぶっちゃけ二行目だけが問題なので、三行目は放っといて、二行目だけ引用します。

世界で当たり前の働き方を日本でも。

はいストップ。
まず、「世界」ってどこ?欧米?

だったらキリスト教的労働観でしょ? 労働は「懲罰」じゃん。

日本の労働観って「美徳」あるいは「修行」でしょ?
禅宗とかその辺りの思想から派生した考え方のはず。

え?「世界」ってもしかして欧米じゃない?じゃあ中国とか?ってことは儒教
それ、少なくとも「会社を使って自分の人生を磨く」って働き方じゃないんですが。


blog.goo.ne.jp

……いや、別に中国の労働観とかマジでどうでもいい。
問題は

会社を使って自分の人生を磨く。
世界で当たり前の働き方を日本でも。

っていう広告の正当性ですよ。
無意識に日本貶めるのやめようよ、って。
っつーかこの時代に何「世界で当たり前」とか言ってるの?明治時代の欧米信仰?

ア◯センチュアってバカだわ。

……と、最初思ったんですが……

ちょっとだけ、もう一歩考えてみたくなったんです。
一行目。

会社を使って自分の人生を磨く。

この部分って……必ずしも、
「労働は美徳」って考え方と一致してるのか?という疑問。

美徳」ってなんだ?
即ち、理屈抜きにそれそのものを美しいと、そう解釈すること。

理屈抜きに、労働はそれそのものが尊い。

……こう考えたとき……アレ、ちょっと待てと。もしかするとこの広告、正しいのかもしれないぞ、と思えてきた。


確か日本の労働観って禅宗とかその辺りの思想から派生したものだっていう記憶があるんですが、まあ要は「修行」ですよね。
この「修行」は、(僕の認識が正しければ)「自分の人生を磨く」って考え方とはかなり隔たりがある。
仏教的な「修行」って、「仏になる(成仏)」ためのものですよね。っていうか単純なイメージでも分かるんですけど、「『自分の人生を』磨く」っていうエゴイスティックかつ単純なイメージと仏教的修行は絶対に相容れない。

……んん!?

ちょっと待て。欧米は一般的にキリスト教的「懲罰」の論理の労働だ。
「救われるために」仕方がないことなのである。

仏教とキリスト教の比較は、このあたりが詳しい。

仏教の「修行」キリスト教の「贖い」


待て、仏教的な、禅的な「成仏」を目的とする考え方より、神の子として「救われる」ための考え方のほうが

会社を使って自分の人生を磨く。

 

っていうエゴイスティックな考え方と合致しているぞ!
ま、まさか……アク◯ンチュア、ここまで考えてあの広告のキャッチコピーを書いたのか!!?
なら凄すぎるぞ!日本の労働観、即ち「労働は美徳」の危険性をさらり、と批判していたのか!!!


あ、そういえば5年で5割離職するらしいですね。どこの企業とは言いませんが。

 

……さて、ここからは僕の考え方ですが、労働なんて美徳でも懲罰でもどっちでもよくて、結局得られるものが失ってるものより大きく感じるならその時点で成功なのではないでしょうか。


多分、その「得られるもの」を「お金」だけと考えて割り切って生きるのもアリだと思うのですが、それって多分ツライことだと思います。色んな意味で。

あ、「得られるものが失われるものより多ければいい」ってまさにビジネスですよね。
そうか、「労働はビジネス」だったのか。今夜だけトゥナイト。一緒にトゥギャザー。

労働でもなんでも、失われるべきものよりも多くのものを得ようとすること。
「失われるものが何か」を冷静に直視して、「失われるもの」の価値を計算して、「得られるもの」の価値を考える。
等価交換なんてもんは「原則」であって、大抵そんなもん嘘で。
むしろ資本主義って価値の創出だよなぁ、とか意識高いんだか低いんだかよくわからんことを考えたり。

会社を使って自分の人生を磨く。

コレ自体は立派な「価値の創出」だよなぁ、と思う。
創出される価値が銀行口座の数字だけってのは、つまらない。まぁ銀行口座の数字って凄く大事だけどね。

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これは確かに正論ですけど、

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いわばこっちは「もっと正論」で。
労働は美徳か懲罰かビジネスか、そんなもんは知らないし、「世界で当たり前の働き方」なんていう抽象的なものはもっと知らないけど。

自分の人生は何かっていう、下手すりゃ一笑に付されるような考えは、一生抱え続けないと本当の「労働」なんて見えてこないのかもね。

ではまた次の記事で。