こんにちは、Mistirです。
最近ずっと悩んでいた。
理由はよくわからない。
モノを一気に捨てたせいかもしれないし……
暑さにやられていたのかもしれない。
いろいろなことがどうでも良くなっていた。
全てが面倒くさかった。
自分が何をしたいのか、さっぱり分からなくなっていた。
とにかく疲れた。
畢竟、ある考えに至る。
「仕事、辞めるかぁ」
転職の決意(半年ぶり数度目)
そもそも僕は一度独立してフリーランスとして生きようとしたが、なんやかんやあって今の職場に残り続けることを選択したっていう経緯がある。
ちなみに会社の上司に当たる方々は、僕が辞める決心を固めていたことを知っているから、今はある意味気楽なものである。
僕はいつ辞めても不自然な人間ではないわけだ。
……とはいえ。
今、フリーとしてやっていくのも微妙だと思っていた。
会社に残った僕は、実質的に社内転職をした。
それから半年程度しか経っていなかったわけだが、今更以前と同じタイプの仕事に戻ろうとも思えなかったのだ。
とはいえ、今の仕事で周りにいるのは「好きでやってる超人類」ばかり。
頭がついていかない僕には、戦っても得が無いように思えた。
……どうすっかなぁ。
とりあえず、転職の本でも読むか。
ということでいつものように適当にKindleで買ってすぐ、仕事の休み時間に読み始めた。
それがこの本、『このまま今の会社にいていいのか?と一度でも思ったら読む 転職の思考法』だ。
このまま今の会社にいていいのか?と一度でも思ったら読む 転職の思考法
- 作者: 北野唯我
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2018/06/21
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログを見る
……正直。
途中まではパッとしない本だなぁ、と思っていた。
物語形式で話が進んでいく。
現在の仕事に悩む主人公が、天才コンサルタントである黒岩にアドバイスを受けるという、それだけの物語だ。
何故か途中半沢直樹っぽい展開になる。
……と、あまり気乗りしないまま読み続けていたのだが。
本もほぼ最後に差し掛かった頃、黒岩が主人公に「好きなことにフォーカスしろ、好きなことを探せ」という課題を出す。
ここまでは、正直ありがちだ。
だが、ここからが違った。
少し長くなるが引用しよう。
僕は、黒岩に正直な気持ちを話していた。
「あれから、ずっと考えていました。でも、好きなものが何なのか、考えれば考えるほどわからないんです。もちろん、『ある程度好きなもの』は見つけられました。音楽とか映画とか。でも、『どうしてもやりたいこと』まで考えると、見つかりませんでした」
「好きなもの」はもちろん僕にだってある。音楽や映画はもちろん、食事やスポーツ観戦だってそうだ。でも、肝心なのは「どうしてもやりたいこと」がないことだった。黒岩は言った。
「君は馬鹿だな。どうしてもやりたいことがあるなら、そもそも、今、こんなところにいないだろ。重要なのは、どうしても譲れないくらい『好きなこと』など、ほとんどの人間にはない、ということに気づくことなんだよ。いいか? そもそも、君に心から楽しめることなんて必要ないんだ」
「え!? 必要ない? どういうことですか?」
「人間には2パターンいる。そして君のような人間には、心から楽しめることなんて必要ないと言っているんだ。むしろ必要なのは、心から楽しめる『状態』なんだ」
「状態……?」
「昔、私の師匠にあたる人が、成功している人間の使う言葉を分析したことがあった。彼の分析の結果、仕事を楽しむ人間が使う言葉は二種類に分けられることがわかった」
そう言うと黒岩は立ち上がりホワイトボードに書き出した。・todo(コト)に重きをおく人間……何をするのか、で物事を考える。明確な夢や目標を持っている
・being(状態)に重きをおく人間……どんな人でありたいか、どんな状態でありたいかを重視する「まず、あるグループの人間たちは、仕事の楽しみを『todo(コト)』で語っていた。たとえば、世の中に革新的な商品を残す、会社を大きくする、などだ。一方で、仕事の楽しみを『being(状態)』で語る人間もいた。たとえば、多くの尊敬できる人に囲まれている、世の中にこんな影響を与えている、のように。つまり、仕事を楽しむための方法論はそれぞれ異なる。そこを混同するから複雑になるんだ。君は自分がどちらのタイプだと思う?」
「……僕は、todoを明確に持っている人に憧れます。でも、自分は後者だと思います」
「そうだろう。実際のところ、99%の人間が君と同じ、being型なんだ。そして、99%の人間は『心からやりたいこと』という幻想を探し求めて、彷徨うことが多い。なぜなら、世の中に溢れている成功哲学は、たった1%しかいないto do型の人間が書いたものだからな。彼らは言う。心からやりたいことを持てと。だが、両者は成功するための方法論が違う。だから参考にしても、彷徨うだけだ」
「そもそも多くの人にとって、心からやりたいことなど必要ない……」
「そうだ。好きなことがあるということは素晴らしいことだ。だが、ないからといって悲観する必要はまったくない。何故なら、『ある程度やりたいこと』は必ず見つかるからだ。そして、ほとんどの人が該当するbeing型の人間は、それでいいんだ」
(強調は出典に準じました)
Kindle の位置No.1938-1968付近
……正直。
頭を殴られたような衝撃だった。
このたった数ページに満たない情報は、どこの誰も僕に言ってくれなかったことだ。
「好きなことなんてなくてもいい」と言う人はたまにいたが、どれもこれもあまり納得のいく理屈ではなかった。
このブログを長く読んでくださっている方はお気付きだろうが。
僕は、尋常じゃないほど強いbeing型人間だ。
にも関わらず、それに気づかず悩んでいた。
「何もしたくない」という事実に、悩んでいたのだ。
このあたりの記事に詳しく書いてある。
この頃は、「何もしたくないと言いながら金を使うことは好きじゃん」という結論に落ち着いているが、自分の中でしっくりこない感覚もあった。
今は、分かる。
「こうありたい」が圧倒的に強すぎて、「こうしたい」は何を持とうとも全て霞んでしまうのだ。
僕が「こうありたい」理想像はたった一つ。
悩むこともなく、疑うこともなく、確信をもって、こう答えられる。
「自由であること」であると。
「自由」は真剣に向き合うと非常に難しい哲学的テーマだが、僕は徹底的にシンプル化して次の二つにフォーカスしている。
「自分の判断で決められること」
そして、
「不自由を感じないこと」だ。
後者に関しては「不自由でないこと」と語ってしまうとトートロジーになってしまうが、「不自由を感じないこと」である以上、僕の主観の物語に終止するわけで、こう考えてさえいれば哲学的泥沼にハマることは防げる。
さて。話がややこしくなってしまったが……
仕事の話に戻ると。
エンジニアという職業柄か、周りは1%のToDo型がヒジョーに多い。
そして僕はずっとずっと、ずっとずっと、極めて……
……冷めている。
「仕事でこれをしたい」は、「仕事でも自由でありたい」僕の理想像と、多くの場合相反するからだ。
割とフリーダムにやってきた僕だが、さすがにいちいち仕事で他人に水を差すのもどうかという気持ちもあり、心のどこかに黒黒としたモヤを抱え続けていた。
だが正直なところずっと言いたい気持ちがあった。
「それ何の意味があるんですか?」
「無駄じゃないですか?」
と。
この中途半端なスタンスが、「自分にやりたいことなんてない、ただ自由でありたいだけ」というスタンスに切り替わったら、すべてが変わる。
全ての判断は迅速になる。
「僕の自由が増えるか否か」、それだけだ。
「僕の自由が増えないならば」、そのときは仕事の辞めどきってことだ。
僕を自分勝手と罵るならば罵ればいい。
「働き方にある程度裁量を与えられるならば、何も文句を言わない社員」を求める会社は世に一社くらいあるだろう。
……というか、僕は実際「ある程度裁量 (自由) を与えられるならば」、それが少々無茶振りでも文句を言わないタイプの人間だ。
そして、今の会社や上司は、そんな僕の使い方をある程度分かっている。
「掘り起こせば何かやりたいことが眠っていそうな人間」と勘違いしているフシはあるけれど。
勘違いして当然だ、僕自身も勘違いしていたのだから。
……とにかく、得られる結論は。
まだ、今は仕事の辞めどきじゃない。
僕の認識する不自由が一線を超えたら、そのときは容赦なく辞める。
それだけの話だ。
ちょうど一昨日、僕は「人生を最適化することには一生懸命だが、目的がない」という記事を書いた。
何もしたいことがない、と。
今思えば当然だ。
僕はしたいことなどない。
だが、自由であるならそれでいい。
そのために、全ての無駄を捨てられる。
……我ながらクラクラするほど合理的だ。
ただ一点だけ、「最適化の果てにやりたいこと」という亡霊に取り憑かれていたことを除けば。
今なら胸を張って答えられる。
「自由になって何がしたいのか?」と問われたら、こう答えよう。
「特に無い」と。
「ただ、自由であることが、それ自体が目的なのだ」と。
あースッキリした。今日はよく眠れそうだ。
今後は悩まずに済む。僕の人生最適化も加速するだろう。
僕はこれから、「僕が最も自由であると感じ続ける方法」についてのみ思考し続ければいいのだ。
……それにしても。
……僕は、何故ここまで自由を渇望するようになったのだろう?
……まぁ大量に心当たりはあるのだが、それはまたの機会に語りましょう。
さて。
さっきの本ですが、being型の人間がどう生きるべきか、より詳細に書かれています。興味のある方は是非買ってみてくださいね。
このまま今の会社にいていいのか?と一度でも思ったら読む 転職の思考法
- 作者: 北野唯我
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2018/06/21
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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お読み頂き、ありがとうございました。
ではまた次の記事でお会いしましょう。