Midnight Note

明日はどこまで行こうか。どこまで行けるだろうか。

今、あなたは何が欲しいですか?

(筆者注: 躁鬱人にとって)「自分とはなにか?」その答えは、「自分とは『次はなにがしたい?』としか考えない人」です。 坂口恭平『躁鬱大学』より 人間は、時として、充されるか充されないか、わからない欲望の為に、一生を捧げてしまふ。その愚を哂ふ者は…

無駄なことはやめましょう。

というタイトルで書き始めると、抵抗のある人も多いだろう。名作『寄生獣』を援用するまでもない。心に余裕があること、無駄を愛せること、それこそが人間の本質だ。でもなぁ、って話。 前置き ここからしばらくは「無駄」という言葉をあえて定義せず、曖昧…

【比較レビュー】Z900RSからCRF250 RALLYに乗り換えた話

旅を続ける またゼロに戻っても Fhána『Zero』 タイトル通りである。4年間乗ったZ900RSからCRF250 RALLYに乗り換えた。 www.kawasaki-motors.com www.honda.co.jpあまりこのブログでバイクのことは書いていないのだが、筆者は身長161cmのバイク乗りであり、…

自分と戦うのをやめた

筆者、水上湊はITエンジニアである。……のは紛れもない事実なのだが、3年間胸を張ってそう言えなかった。 あゝ、司法試験 司法試験の勉強を始めたのは3年ほど前だった。その頃は某企業の技術責任者を担当しつつ、とあるIT系の開発案件に参画していた。そこで…

辛い記憶の反復、依存、物語のバグ

「『大きな物語』の終焉」を指摘したのは、フランスのポストモダン哲学者リオタールだった。歴史や社会が紡ぐ「大きな物語」が近代以降消失し、それ以降は各々が各々の「小さな物語」を生きていくことになる。リオタールを援用するまでもない。卑近な例とし…

『ローカル女子の遠吠え』を布教させてください(あと『めんつゆひとり飯』)

「これまで読んだ中で一番好きな漫画は?」そう聞かれたら、最近あまりにも面白い『追放されたチート付与魔術師は気ままなセカンドライフを謳歌する。 ~俺は武器だけじゃなく、あらゆるものに「強化ポイント」を付与できるし、俺の意思でいつでも効果を解除…

【ClariS】限界オタクによる『Iris』全曲レビュー

もう、大変。大変なことですよこれは。何が大変って、2024年5月22日、ClariSが2年ぶり7作目のアルバム『Iris』をリリース。 【Amazon.co.jp限定】Iris (完全生産限定盤) (メガジャケ付) アーティスト:ClariS ソニーミュージックエンタテインメント Amazon そ…

ツラが良い人が羨ましい

「それはそうだろうよ。幸せになることは簡単なことなんだ」京極堂が遠くを見た。「人を辞めてしまえばいいのさ」京極夏彦『魍魎の匣』より 京極堂こと中禅寺秋彦 嫉妬。それは人を動かすエネルギーになることもあるが、概ねはただの徒労、無駄でしかない感…

【こづかい万歳】強さ議論 / 最強キャラランキング【6巻まで】

5巻までの内容はこちら。 mistclast.hatenablog.com 今回も『定額制夫の「こづかい万歳」 月額2万千円の金欠ライフ』6巻までの登場人物について強さを議論していきたい。僕のライフワークだ。なんか寂しい人生だなァ。 定額制夫の「こづかい万歳」 月額2万…

独身男性、ここに完成

7年前、こんな記事を書いた。 mistclast.hatenablog.com あれから7年が経った。というよりそもそも、ここしばらくブログを更新していなかった。しかもたまに更新したかと思ったら仏教の話だとか不安の話だとか、暗いことばかり書いていた。実際のところ、色…

不安の代替可能性について

不安は次から次へとやってくる。そこに理屈も意味も無いと感覚的には理解していたが、はっきりとイメージになったのは最近だ。自分という土の中に、大きな樹が生えていることを想像する。ポジティブなイメージではなく、どちらかというと邪悪なイメージだ。…

だいたいの感動はどこまでも陳腐だ

感動。涙。情動。感情。衝動。そういった領域は。なんとまあ、安っぽいんだろう。なんとまあ、どこまでも自分に属しているんだろう。ふと思った。昔は「自分の感動を共有すること」は自分のミッションの一つだと思っていた。素晴らしい歌。素晴らしい物語。…

ガンダムSEED未履修のオタクがガンダムSEED FREEDOMを観た結果(ネタバレなし)

タイトルについて。先に結論を言おう。 www.youtube.com このBGMと。 この表情でやってくるアスランが頭を延々と横切り続け、今困っている。*1誰か助けてくれ。 経緯 筆者はトンチキアニメを愛するオタクである。もう10年近く前のアニメなのだが、『聖剣使い…

あゝ、肌に合わない

31歳。あらゆるダメなものがダメになってきた。下品な輩、人混み、うるさい場所、落ち着かない物事。肌に合わないと感じていたものが、より肌に合わなくなってきている。神経質傾向の悪化と言うべきか、もっと単純にわがままになったと言うべきか。このまま…

イエモンらしさ全開!人生の虚無と希望を描く『ホテルニュートリノ』

長らく休止していたTHE YELLOW MONKEY。ボーカルの吉井和哉がしばらく闘病を続けていて去年完治を発表したばかりだった。そして2024年元旦に発表された、第三期イエモン一発目となる『ホテルニュートリノ』。これがもう、あまりにも……刺さりまくってしまった…

fhána『Zero』のこと

だいぶ前、fhánaのアルバムについて書いた。 mistclast.hatenablog.com 特にアルバム『Cipher』の実質的エンディングである『Zero』について。 www.youtube.com 当時、なんとなく分かった感を出して書いていた。だが、今になって……全面的に撤回したい。この…

お金のこと、生活のこと、魔に魅入られること

少し前、とても高い腕時計を買った。 mistclast.hatenablog.com そんな感じなので筆者は節約が得意な方ではない。まあただ一方で、そこまで金遣いが荒いわけでもないかなという気がしている。今筆者は東京近郊、バイク駐輪場付き家賃7万円の家で一人暮らしを…

中庸であること、中道であること

極論まみれの世の中だ。負の意味では「日本は終わってる」とかそういうやつ。正の意味では大谷翔平とか藤井聡太とか。この二人が極端だったとしても「東大は誰でも入れる」とか、そういうことを本気で言う人がいたり、他にもキラキラした成功者ばかりSNSで目…

俺は憧れに辿り着けないし、『葬送のフリーレン』は大分むぎ焼酎 二階堂だから困る

この記事では内省が延々続くので、興味がある人のみお読みください。『葬送のフリーレン』の考察を期待されていた方がいらっしゃったら本当に申し訳ないですが、そういうのはほぼありません。筆者はフリーランスエンジニアで、幸運なことに今稼働は少なめで…

吉井和哉『HEARTS』はとんでもない名曲だから聴いて欲しい

最近咽頭癌の根治を発表した吉井和哉。筆者は吉井和哉のファンである。 mistclast.hatenablog.com そんな吉井和哉の中でも筆者にとって、あるいは吉井和哉本人にとってもおそらく、特別な一曲がある。それが『HEARTS』だ。 www.youtube.com ベストアルバムに…

高級腕時計と、自尊心と。【SBGA469】

この記事は mistclast.hatenablog.com の続きです。前回の記事は今回の記事の前フリです。【前回のあらすじ】638,000円の腕時計をクレカ一括払いで買った水上。預金残高の運命やいかに。 高級腕時計なんか買って何の意味があるの? 購入してから20日強が過ぎ…

とても高い腕時計を買った

以前、Gショックの沼に落ちた。 mistclast.hatenablog.com だが。このとき、もう既に。既に腕時計の沼に落ちていたのだ。 より深い沼へ Gショックの沼に落ちた僕は次に、軽くて薄いアナログ式のソーラー電波時計が欲しくなった。Gショックで「1秒たりとも狂…

自分に酔うこと、世界に酔うこと

自分に酔っていた。昔のことだ。3つ兼部して、生徒会長やりながら、学力は学年トップで、京都大学を目指している。そんな自分に酔っていた。具体的にはライトノベルやら色々読みながら、俺って主人公みてえだなぁと思っていた。むしろ、これからにせよ……「主…

虫が殺せない。生きにくい。

虫が殺せない。いや、理由があればギリギリ殺せる。例えば夜、寝室で蚊が飛んでいたら、無心でキンチョールを撒き散らしたりはできる。積極的に自分を加害してくる虫を殺す、それはまあ仕方ないと納得できる。以前、とある水族館の屋外の池で溺れかけている…

あゝ、躁鬱

しばらく仏教がマイブームだった。 mistclast.hatenablog.com 飽きた。いや、厳密には飽きてはいない。けれどプライベートのトラブルだとか色々重なり、ちょっとした鬱状態に陥り、頭からブッダは離れていってしまったのである。そもそも僕は仏教思想を面白…

ゴリゴリの無神論者が「仏推し」になった理由

釈迦パねぇ。これは最近の僕の偽らぬ心境である。最近ゴリゴリと仏教を勉強している。どうしてこうなったのかを語ろうと思う。統一教会問題で宗教のイメージが底を割るこの世の中、このような話をするのは抵抗があるのだが、一度文章化しておいたほうが良い…

生きる意味が見つからない人へ、あるいは死ぬことが怖すぎる人へ

あんまり死ぬの怖がるとな、死にたくなっちゃんだよ 映画『ソナチネ』より この記事では、 生きる意味が見つからなくて苦しい人 死ぬことが怖くて怖くて逆に死にそうな人 両方の人 に対し、様々な側面から、なるべく客観的に解決策を提示したい。「生きる意…

【こづかい万歳】強さ議論 / 最強キャラランキング【1巻〜5巻まで + α】

『こづかい万歳』という作品が好きだ。 定額制夫のこづかい万歳 月額2万千円の金欠ライフ 定額制夫のこづかい万歳 月額2万千円の金欠ライフ (モーニングコミックス) 作者:吉本浩二 講談社 Amazon コミックDAYSで課金して先読みした上で単行本を買う程度に…

岡本太郎について誤解していたこと

どちらの道に進むか迷ったら難しい道を選べ この名言は、芸術家・岡本太郎の発言である。嘘である。岡本太郎は一言もそんなこと言ってない。だが、15年間岡本太郎のファンを自認する僕は、なぜかいつの間にかそう解釈してしまっていた。そしてその趣旨につい…

欲望を駆動せよ

何をやっていても、〝他人の目からはどう見えているのだろう?〟と気になって夢中になれない。 そういった〝生きてて全然楽しくない地獄〟にハマってしまうと、人間はどうなってしまうのだろうか。 まず、朝起きるのが辛くなる。 若林正恭『ナナメの夕暮れ』…