こんにちは、本が好きだけど最近疲れてTwitterばかり見てるMistirです。
タイトルはラノベ風にしてみました。
「ラノベ脳」っていう言葉を使ってるけど……
ご安心ください。
まさかこの私が!あのつまらない「ゲーム脳」論者のように「ラノベを読んでたら現実とラノベの区別がつかなくなる」なんていう話をなんてするわけがないじゃないですか!
フフフ……
するわけがない。
と言いたいところですが……
残念ながら今回だいたいはそういう話なんです……
当たり前だけど「ラノベを読み過ぎると『綴るッ!』とか叫びながら空中に詠唱を始めたりする」とか、そういうことを言いたいわけじゃないのでそこはご安心を。
僕、これまでの記事で「何故ゆとり世代は悟るのか?」、なんで「僕ら」は「虚しい」のか、そういうことをずっと語ってたんですよね。
でも、こういった一般的な「虚しさ」、社会の仕組み的に仕方なく受け入れるしか無い「虚しさ」とは全く別の次元で「僕」は何らかの病理を抱えてるんじゃないか、という発想に至った。
それが今回の「ラノベ脳」ってわけだ。
「ラノベ脳?バカバカしい」って思った人も、是非読み進めて欲しい。
僕は多分極端なパターンだけど、他にも似た症状の人はいると思う。
自分だけのこととは到底思えないのだ。
僕の昔話をしよう。
大分イタい話だ。
僕は、昔、わりと凄かった。
学年の成績1位で、三つの部活を兼部しながら、生徒会長やってた。
※余談だけど以下の記事に登場するN君も似た境遇らしい
「ああ、昔は凄かったのに今は凄くないから虚しいのね」って思った人も、もう少しだけ読んで欲しい。
ちょっとだけ違うから。
で、その頃どういう思考してたかっつーと……
自分に酔えてた。
自己陶酔が出来てた。
……そう。
「ラノベみたいだ」と。
余談かもしれないけど、「自己陶酔のパワー」って結構半端ない。
この時期、本当にびっくりするくらい成績伸びました。いや、マジで。半ば精神病んだけど。
……書いてて冷や汗かいてきたが、恥を忍んでさらに続きを書こう。
世の中は幸いなことに、生徒会長をテーマにした漫画、小説をいくつも提供してくれる。
「現実はこんな権力ねーよwww」と笑いながらも、どこか何かしら……「自分も生徒会長である」というそういった要素を、僕は物語に重ねていなかったとは……断言できないのだ。
大学に入ってから、僕は文学部に入る。
大学に入学してしばらくは何もかもを失ったような気がしてしばらく荒れてたんだけど、なんやかんやで卒業することはできた。
卒業論文のテーマはこの小説だ。
どんな小説かというと情緒不安定のハーレム系主人公が毎晩酒を飲みながら泣いてるっていうストーリーだ。ラノベっぽい。
……もちろん、物語としては結構難解で、ジョルジュ・バタイユの精神性が滅茶苦茶濃く見えるれっきとした文学作品なんだけど……
卒論を読んだ僕の恩師は、こう言った。
「これ、もはやお前の自伝になってるやんけwwww」と。
文学部生が「研究」するからには、客観的に読まねばならない。
当然のことだ。
だけどもちろん文学はそれが全てじゃない。
特にこの小説は「私小説」に近い。
イメージ出来ない人は「フランス版『人間失格』」でイメージしてみてね。
多分、僕の論文は学術論文として読むには自分に寄せすぎていた。
なお、「院に入ってもしこんな論文書くと多分病院行けって言われるぞ」っていう注釈付きで、結構良い成績を頂けました。
で、社会人になったわけでわりと鬱々してるんだけど。
この小説読んだとき、なんか凄く元気になった。
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就活でIT系が選択肢に入ってきてから読み始めた本で、ずっと大ファンなんだけど、やっぱり面白い。
……面白い小説を読んだから、テンションが上がった?
いや、もちろんそれもあるんだけど……
ここまで読んだ方はお察し頂けたかもしれない。
そう、僕は僕の人生を。
小説によって肯定されることに強い喜びを感じるようなのだ。
いや、もっと強く言い切っていいのかもしれない。
僕はそれでしか喜びを感じ得ない(か、その状態に非常に近い)、と。
僕はどうやら、通俗的な欲求というか、社会的承認欲求がいまいちわからないようなのだ。
例えば「結婚してないと社会的に云々」とか「正社員じゃないと社会的に云々」とか。
そういうのを聞くと、シラけてしまう。
でも……恐らくだけど、自分の人生に「ああ、ラノベ(漫画)みたいだ」って言えてる間は、完全にその「シチュエーション」に喜びを感じちゃうのである。
※ここに書くと洒落にならないくらいのことも高校の頃にはありました……
で、この感覚って薄めさえすれば「誰にでもある」もので、さらに言えばこの感覚は必ずしも悪いものってわけじゃない。
例えばだけど、凄い光景を見て「あ、ゲームみたい」とか「漫画みたい」と思った人はいないだろうか?
現実を「創作みたいだ」という心理自体は決して「歪んでいる」わけではないはずだ。
さっきも「漫画みたい」まで打ち込むとGoogle日本語変換が「まんがみたいな恋したいっ!」というサジェストを出してきた。
このようなタイトルの漫画があること自体、「現実を創作に寄せたい」という欲求が個人差こそあれども特に珍しいものではないことを意味している。
それは多分、子供の頃からずっとある、ある種の願望だ。
……子供の頃から抱きやすい分、どこかでその「幻想」から抜け出す人が大半なんだと思うけど……
「いつまでも子供みたいなこと言ってるんじゃねえ」って言うこともできるわけでさ。
だけどな……
多分……僕は筋金入りなのである。
すっげぇ切ないこと言うぞ。
僕は僕で自分の人生を肯定できていない。
だからせめて、物語に肯定して欲しいんだ。
書いてて半端ない虚脱感が……酒飲もうかな……
別に「ラノベ脳」っていう言い方じゃなくて、「物語脳」「小説脳」って言ってもいいかもしれない。
だけど、社会人になってからそういった間接的に「自分の人生を肯定するような」小説や漫画を読んでいない。
課長島耕作?サラリーマン金太郎?違うよなぁ……
強いて言うならこれか。
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簡単に説明すると「とんかつ屋のせがれが本職のとんかつ屋と平行してDJとして『トンカツも客もアゲる』ことを目指す」って漫画なんだけど。
僕が猛烈にこの漫画にハマってるのは、自分と重ね合わせているからかもしれない。
いや、何が残酷ってさ……
多分、そういった視点から自分の人生を肯定できるのって、多分高校生が限界なんだよ。
ラノベだったら高校生を主人公としたものが凄く多いから、僕みたいな極端なパターンじゃなくても、「そういった」読み方をできるものはたくさんある。
でも、もう僕はそういった歳じゃない。
「大人向け小説」はやっぱり、「そういった読み方」ができるものが少ない気がする。
多分、「そういった読み方」は大学生時代に卒業してるべきものなのだ。
……だけど、多分根本的な点で、卒業ができていなかったのだ、僕は。
ちょっとばかし、残酷すぎやしないか?
そういった価値観しか有さない僕に、これから先モチベーションを持って生きろというのは。
解決策は2パターン。
新たな価値観を身につけ、自分の人生を自分で肯定……ウボァァァ(吐血)
無理です。違うやん、それは。
アドラー先生も「自己受容はいいけど自己肯定はするな」って言ってるで。
もう1つのパターンは、「それでも物語に自分の人生を肯定してもらうことを期待して物語に触れること」。
……いや、分かってるねん。
そもそも、だ。名作って言われる映画も文学も、「誰かの人生を肯定する」なんていう薄っぺらいものじゃない。
むしろ「いままでの人生を全否定する」ような映画・文学こそが「名作」であるパターンは凄く多くてさ。
それはそれで解ってる。
客観的な分析は大好きだ。大好きな、はずだ。
だけど、それでも……名作とかそういうの抜きに、僕は多分……
恥を忍んで言えば、「高校の頃にニヤニヤしながら生徒会モノのラノベを読んでいた」あの頃の感覚に戻りたいと考えてるのだ。
クッソ気持ち悪いな、僕。
でもさ……何度も言うけど、僕は極端なパターンだとしても、絶対にこの気持ちはみんな持ってるはずなんだよ、近いものを。
でさ、残酷なのが……
いわゆる「最近のラノベ」とか「俺TSUEEEEE」ってさ、その「残酷さ」を加速させてるよね。
いわゆる「特化型の主人公が褒められたり女の子にモテたり最強の称号を貰ったりする」みたいな。
断言するけど、中学生のときにそういうの読んでたら、多分僕はもっとヤバイことになってたんじゃないかな。
「そういったラノベ」を批判してるわけじゃない。むしろ逆。
「そういったラノベ」が有する、「他の人間よりもどこか優れたものを持っているはずの自分を肯定してくれる」底知れないパワーが、僕は恐ろしいのだ。
例えば、そういったラノベの代表格として語られる『魔法科高校の劣等生』。
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主人公のあまりのスペックがよくネタになる同作品だけど、自分が中学生のときに読んでたら……と思うと、ゾッとしちゃう。
あー……いや。違うわ。
僕、十分中学生の頃に……
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PS2版のこれやってましたわ……
あー……あー、弓道部入ったわ。高校入ってから。
このゲームの影響……無かったとは断言できねえ……
むしろ……
こういった価値判断基準でさ、自分の人生考えてると……やっぱ大人になってから残酷だぜ、ってそう思うんだよ。
なんか僕が常に「先のこと」を考えてる理由や「なんか生きてる実感が少ない」みたいなことをこの歳になってもなお言ってる理由が、自分で腑に落ちた気がしたんです。
この記事、気持ち悪かったですか?
なら貴方は凄く幸せだと思います。
その方が多分、良いんです……
ああ、そうだ。
最近GTA5やってるんだけど……
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この序盤で、主人公が自分の嫁を寝取られて、相手の家の柱にロープ巻きつけてぶっ壊すシーンが有るんですよ。
完全にギャグなんですが、そのとき、主人公の嫁を寝とったテニスコーチが叫ぶんです。
「もうお前の負のエネルギーの強さにはうんざりだ!」って。
なんかコレ聞いて、……なんか、自分の人生を肯定された気分になったんです。
やっぱり……
僕は変わらないんだなぁって。
もはや悲しむべきなのかさえわからないっすね、ここまでくると。
みなさんはどうでしょうか。
少なくとも、自己陶酔できてる間は「圧倒的成長」ができるので、それが出来る人はどんどん躊躇わず「自己陶酔」しましょう。
僕は次、いつ自分に酔えるんだろうか……
酒にはしょっちゅう酔ってるけどさ。
それではまた次の記事でお会いしましょう。
次の記事は、多分ここまでイタくないですからね。