どうも、Mistirです。
週刊少年ジャンプで、明らかに「異色のオーラ」を放っている漫画がある。
そのマンガはかつて誰もが「打ち切り」を確信した。
僕もその一人だった。
誰もが言った。
「少年ジャンプ向きじゃない」と。
でも。
そのマンガは、ついに上り詰めた。
純粋な、マンガとしてのオモシロさ。
それだけで……
ついに、誰しもが打ち切りを確信していたそのマンガは、少年ジャンプの表紙にまで上り詰めた。
そのマンガのタイトルこそ。
『鬼滅の刃』だ。
表紙に上り詰めたときがコレ。
今回は、このマンガについて少しばかり「アツく」語ろうと思う。
誰もが打ち切りを確信していた序盤
さて、この漫画。
あらすじを引用すると、こんな感じだ。
時は大正。竈門炭治郎は炭を売って生活していたが、ある日家族を皆殺しにされてしまう。さらに唯一生き残った妹・禰豆子も凶悪な鬼と化してしまった。禰豆子を人間に戻すため2人は旅立った。
「人喰い鬼」、それは噂にとどまらず、確かに存在していた。そしてそのような鬼を狩るべく、人知れず剣を振るって戦う組織「鬼殺隊」もあった。
育手の元で剣術を身につけた炭治郎は、鬼殺隊入隊への最終関門である選別を経て、「鬼殺隊」に入隊する。宿敵である「鬼舞辻無惨」に辿り着くが取り逃がしてしまうも、医師である鬼「珠世」と知己を得た。彼女は「鬼を人間に戻す」医療を確立させたいと考えており、炭治郎は鬼の血液を採取することで協力関係を結ぶ。仲間に我妻善逸、嘴平伊之助も加わり、鬼退治の旅は続く。
要は、妹以外の家族を惨殺された主人公、炭治郎(またの名を健太郎)が、鬼と化した妹を元に戻すために鬼絶対殺す部隊である鬼殺隊に入隊して旅する冒険譚。
これだけ書くと、
「あれ?ジャンプとしては特に不思議なストーリーじゃないよね?」
って思われてしまうかもしれない。
でも。
端的に言おう……
この漫画。序盤は……
ホンットに!
途方もなく!
暗かった!!!!
第一話から、なんか物凄く暗い。
じめじめしてる。
しかも、二話以降もいわゆる「修行編」が続く。
第三話時点での評判を少し読んで欲しい。
まとめサイト:「ジャンプ速報」からの引用。
実際に、僕も完全に同意していた。
ちなみにここで言及されてる「幽霊」は『ゆらぎ荘の幽奈さん』のことで、ToLOVEるの系譜を引くセクシー系ラブコメにも関わらず主人公の異様なイケメンっぷりが話題になってる人気作です。
まあ話を鬼滅に戻して……
これだけ評判の悪かった『鬼滅の刃』ですが。
5話で少しだけ、風向きが変わる。
この漫画のやりたいことが少しずつ見えてきたのだ。
転換点の一つ、「切なさの爆弾」の炸裂
予め言っておくと。
今、僕は『鬼滅の刃』の最大の魅力は「切なさの爆弾」だと思ってる。
で、二番目が「圧倒的センスのシュールギャグ」。
この二つを混在させているマンガはそうそう無いはずなんだけど、『鬼滅の刃』では見事に混ざり合っている。
まずは一つ目。
「切なさの爆弾」について語ろう。
このマンガ。
とにかく、切ない。
熱いバトルでさえ、切ない。切ないのに、熱い。
その「切なさの爆弾」が最初に炸裂したのが、第5話。
ネタバレになってしまうが、かなり序盤なので許して欲しい。
主人公:炭治郎は色々あって修行するのだが、修行の最後に「岩を斬れ」と師匠に告げられる。
が、もちろん岩は斬れない。
半年間修行するも無意味に終わる炭治郎の前に、狐面の男が現れる。
容赦なく襲い掛かってくる狐面の男。
この男に、主人公は惨敗してしまう。
倒れたところに、一人の女の子が現れる。
この主人公、ここらで大体皆さん察していると思うが、かなり天然でブレない性格をしている。
そして真菰のアドバイスを受けつつ、何度も錆兎と戦うことになる主人公。
半年後の修行を経た主人公。
ここからは一気にどうぞ。
……いかがだろうか。
凄まじいことに。
現在、もう話数は50に到達しようかというところだが……
テンポは上がってるわ、コレ以上に切ない描写がポンポン出てくるわで「そりゃ人気出ますわ……」ってことになってる。
この作者、表情の描き方やセリフ回しが、尋常ではなく、巧い。
セリフ回しの方は、こんな記事さえできてしまっているくらいだ。
とにかく、セリフが個性的なのである。
心に残る言い回しはもちろんだが……
どこか、シュールなものもある。
ってことでこの作品の二本目の柱、「シュールギャグ」についても語ろう。
どこまで狙っているのか分からないシュールさ
センスが独特過ぎて、この作者はどこまで狙ってやっているのか分からない。
例えば、かなりシリアスなバトルの描写。
「痛い!!いやこれは………かなり痛い!!」
シリアスな心理描写。
手に目玉がある敵と戦ってます。
「ちょっと申し訳ないけど手の目玉気持ち悪いな!!申し訳ないけど!!」
主人公は優しいので、敵を気持ち悪く思うのも申し訳なく思うようです。
謎理論。
このセリフ、妙に人気がある。
で。
作中屈指の人気キャラ、我妻善逸の登場回。
何事も無かったように主人公は雀と話してますが、気にしてはいけない。
「なんでそんなに恥をさらすんだ」
「言い方ひどいだろ」
光りまくってる。
表情を描く巧さの無駄遣い。
……でもこのシーン、読み返すとグッとくるんですよ……(ネタバレ反転)
善逸は炭治郎に助けを求めた時点で「鬼を連れてるのに、泣きたくなるような優しい音がしてる」ってことに気付いてるわけで、炭治郎は炭治郎で「善逸が強い」ってことに気付いてるから、最初から「剣士」として扱ってる。
善逸は自分が弱いって思ってるから、炭治郎に泣く泣く助けを求めたんだなって思うと、なんかぐっとくる……
(反転ここまで)
ギャグ回はギャグ回としてあるんだけど、ギャグ回じゃないはずなのに容赦なく唐突なタイミングで笑いをぶっこんでくるので気が抜けない。
ちなみに、この人気キャラ善逸さん、人気すぎて全く関係ないマンガ『左門くんはサモナー』の第一回人気投票でなんと3票を獲得しました。
さて、そろそろまとめに入ります。
とにかく読んで下さい!!!読めば分かる!!!
この善逸が仲間に入った辺りから、作品が暗いだけじゃなく、軽妙さも身につけ始め……「あらゆる要素がハイに交わった全ジャンル網羅マンガ」になってきます。
冨樫義博や奈須きのこも絶賛してて、なんというか、どんどん「マンガ好きが好きな作品」になってきてる印象。
特に最新の「蜘蛛山編」は、笑えるわ切ないわ熱いわでとんでもないことになってました。
正直、ここまで「◯◯だから面白い」っていうのを延々と語りましたが、鬼滅の本当に凄いところは「この漫画にはあらゆるジャンルが詰まってる」ってことだと思ってるので、これで上手く語れたとは到底思っていません。
それに結構、王道を踏襲しながら、王道を捻じ曲げる構成だったりします。
ラスボスがかなり序盤で主人公と実際に会ったり、しかもそのラスボスの色気が半端なかったり。
二巻の表紙、この人がラスボスの
鬼舞辻無惨
さんです。
厨二病のMistirはこの
鬼舞辻無惨
っていうネーミングを見た時、あらゆる意味で「完璧じゃねえか……」ってうっとりしました。
でもこの人、結構ガチでエグくて、思想的にはジョジョ屈指の名ラスボス:吉良吉影を彷彿とさせる「日常に潜むホラー」感があります。
話がそれましたが……
とにかく、読んでください。
そして、熱くなって、笑って、泣いてください。
それだけ伝われば十分です。
5巻の発売が楽しみ。クッソアツいですよ。
以下、Kindle版。
ではまた次の記事で。
お読み頂き、ありがとうございました。