こんにちは!Mistirです!
いやー、最近ブログ書きたいって気持ちがすっげー衰えてたんですよ。
こういうのが西洋人の目には児童ポルノと映ってしまう。だから恥ずかしいということではなく、日本のおたくカルチャーは児童ポルノと同じ進化環境で進化してしまったということ。それにしても男根の代わりにでっかい吹奏楽器と絡むこの構図はいったい。https://t.co/SAJ9NuoJCO
— 久美・C・薫 (@kumi_kaoru) 2015, 11月 30
ギターは手で触れて終わりだけど、吹奏楽器だとお口で加えるでしょ。京アニ、露骨に狙ってますね。https://t.co/fFZRL4W2Dl pic.twitter.com/j8H5vFgg5B
— 久美・C・薫 (@kumi_kaoru) 2015, 12月 2
で、この人は実は直接言ってないけど「男根のメタファー」って言葉がTwitterで一人歩きしたって感じ。
「楽器は男根の代わり」って言ってるから、「メタファー」のほうが幾分柔らかい気もする。
男根のメタファー……。
ゴロがいいですね、本当。
実は、この話結構面白い。
作品分析の面白さもここから見えてくる。
常識?いやいや、意外とコレが面白い。
そこまでひたすら迂回しますが、まあゆっくり読んでね。
では本編入りまーす!
メタファーを考えると、作品は面白くなる
「暗に喩(たと)える」技法のこと。これは多分中学校の国語で習うんじゃないかな。
でも、この「メタファー」を駆使してアニメを観る、語る……
それは案外、楽しいのです。
ここで具体的に例を出してみよう。
みんな大好き、あの作品は実は良質なメタファーのオンパレードだ。
そう、ドラえもんです。
ドラえもん、そしてのび太くんがそれぞれ「あるもの」を暗に示しているというように考えると、非常に面白い分析ができる。
ここからはあくまでも「僕の好みの解釈」だ。
メタファーを考えるときは、人の数だけ解釈が生まれる。だから楽しい。
……このことは実は今回のメインテーマ、「男根のメタファー(声に出して読みたい日本語)」にも関わってくることだから覚えておいてくださいね。
さて、僕は以下のように解釈する。
ドラえもんは「文明」あるいは「時代」のメタファーであり、のび太くんは「人間」、あるいは「人類」のメタファーだと。
どう思うだろうか。
単純な解釈だ、浅いと思うだろうか。
色々あると思いますが、語りますね。
ドラえもんは未来からやってきて、のび太くんに便利な「ひみつ道具」を提供してくれる。
その場その場の問題に非常に適したソリューションを提供してくれる道具だ。
そしてのび太くんが欲をかいて失敗する、というのが『ドラえもん』という作品の一つのテンプレートになっている。
……で、ここまでの理由で「ドラえもんを文明のメタファーだ」って考えても、それほど面白くはない気がする。
焦らずゆっくり読んでね。
僕が非常に面白いな、と思うのは……
のび太くんがひみつ道具の使用によって「成長する」ことは絶対にないってことだ。
この記事にも書かれてるんだけど、のび太くんはその都度のソリューションによって成長することは絶対にない。まぁそれは連載の都合でもあるそうだけど。
文明の与える解決策は、人間を直接成長させることはない。
じゃあどんなときに人間は成長する?
前に進む?
そうです。
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「ドラえもんと離れたとき」です。
『帰ってきたドラえもん』のストーリーを知らない人は、調べるか観るか、もしくは次の見出しまで読み飛ばしてくださいね。
さて。
「帰ってきたドラえもん」って凄く泣けますよね。あれが何故泣けるかって、色々あるんですがやっぱり「便利なドラえもんという存在抜きにのび太が前に進むことを決める」ことにあると思うんです。
文明が失われるような大きな危機に貧して、のび太くんは成長します。
だけど、それだけでは終わらない。
ジャイアンとスネ夫に欺かれたのび太くんは激昂し、ドラえもんの残した「最後のひみつ道具」でジャイアンとスネ夫に復讐します。
だけど、その復讐が完遂した後ものび太くんは虚無感を抱えた顔をしている。
このシーンを
「時代がもたらしてくれた残り香にすがって力を手に入れるけれど、もう何をやっても時代は戻らないことを知って虚無を覚える」人間の普遍性が描かれてるって読み替えると、凄く感慨深い。
で、ドラえもんは「帰って」きます。
そう、「時代は繰り返す」のです。
どうです?
面白くないですか?
……で、実はここまでグダグダ書きましたけど、この解釈結構アラがあるんですよね。
例えば、のび太くんが前に進むときに叫んだこのセリフ。
「ぼく一人の力で君に勝たないと、ドラえもんが安心して未来に帰れないんだ!」
ジャイアンと喧嘩しながら叫んだ名言だけど、この発言に関しては「メタファー」では語れないよね。
で、多分ここまで読んで……
「普通に楽しんだほうがよくね?」って思った人も多いと思う。
メタファーで作品を分析するっていうのは、「作品をより楽しくするための隠し味」で、同時に「粗があって当然」のものだと思ってます。
で、この「メタファーによる分析」っていうのは、大学の文学部辺りの作品分析の世界だとごく普通にされてるテクニックだ。
あくまでも「作品をより楽しむための技術」として捉えると非常に楽しくなる。
……「男根のメタファー」と何も関係のないことを長々と語ったのは、以下の認識を共有したかったからだ。
「メタファーを考えると、作品をより深く分析したり楽しんだりできる」
「メタファーを使った分析は千差万別の結果が出る」
「メタファーは決して万能ではない」
これくらいかな。
さあ、前置き終わり!
じゃあ今からいよいよ本題、「男根のメタファー」について語りますね。
楽器は男根のメタファー?
まず、最初に「響け!ユーフォニアム」の楽器を「男根のメタファー」として想定するのが妥当か否かっていうことについて考えてみよう。
……多分頭痛くなった人もいると思うけど……
まあ一応、厳密に。
・可愛い女の子がくわえる
・固くて棒状
僕が頭痛くなったわふざけんな。
っつーか、これは吹奏楽やってる人たちに失礼だろう……。
いや、アホな人がTwitterで「やべえよ女の子が楽器くわえてるの超エロい」って言ってるならまあ分かるけど……って男子中学生かよ!
妄想力が流石にたくましすぎる。
なお、「ドラえもんは文明(時代)のメタファー」って解釈する根拠は以下のような感じ。
・未来からやってくる(文明も未来から齎される)
・それ自体が意志を持っている
・その解決策を過剰に利用した結果、報いを受けることがある
・それが手元から離れて初めて、利用者は内面の成長を得る
このときに僕らが取れるスタンスは2つで、「そのメタファーの有効性を徹底的に証明すること」と、「こじつけになってもいい、僕がオモシロイのだから」って開き直ることです。
どっちも楽しいですね。
それが良いメタファーの捉え方です。
ただ……件のツイートをした人は「メタファーだから」っていう理由で、あたかも非難するような口調で語ってるんですよね。
ここがかなり……いや、相当おかしい。
あ、いまさらだけど……多分ちょっと作品分析というか精神分析に触れたことがある人、いや、そんなことない人でさえは「男根」って聞いてフロイトを想像した人は多いと思う。
ここ(精神分析的領域)に踏み込むと事故るので、今回は保留させて下さい。
滅茶苦茶難しいんすよ、この領域。参考文献はこちらです。
男根が精神分析でどう扱われてきたのかよーくわかるよ。
おすすめ。
さて、話を戻すと……
最初のツイートをした人は、なんていうかもう「アニメ系の女の子を見たら」即座にセックスを想像しちゃうんでしょうね。
さっき挙げた2つの要素だけで「性的なメタファー」に繋げちゃうのは、もうそういう思考回路だとしか思えない。
僕自身としては、そういう思考回路は全然悪くないどころかクリエイティブだとさえ思う。
ただ、どうやらこの人は「だからエロい!最高!」みたいな思考で語ってるわけではなく……要はアラ探し、批判の「道具」として「メタファー的作品分析手法」を用いてるわけですね。
実は僕にとってはここが一番気に食わない。
楽しみましょうよ、作品分析を。そんなことせずにさ。
……この部分でもうこの記事オチがついてる気がしますが、実はここからが最も語りたかったことです。
「真の『男根のメタファー』とは一体何なのか」
「メタファーが『アウト』になる瞬間とは」
この二点。
以下、じっくり語ります。
真の『男根のメタファー』とメタファーがアウトになる瞬間
実はですね、特定のアニメの中で「男根のメタファー」ってたまに出てくるんですよ。
それはもう露骨に「製作者サイドが」狙ってる、男根のメタファーが。
そう、チョコバナナである。
……いや、実は色々探したんですよ。
ニコ動とかで。
チョコバナナで検索して。
そうすると想像以上にドン引きの動画が出てきまして……w
ご紹介するの控えました。
で、既にこの「チョコバナナ」がアニメ界で「男根のメタファー」になってるっていうのはTwitterなんかで触れてる人がいるんですが、ここからは「男根のメタファーであるチョコバナナをアニメに出すことの有効性」について語ろうかなって思います。
結論から言っちゃうと、多分誰もエロいと思って見てないんですよ、このチョコバナナ。
なんていうか、もうそれは吉本新喜劇の中で「定番の」ギャグがあるようなもので。
で、実は上に貼った『生徒会役員共』って作品もそれを逆手に取ってるんです。
このアニメ、どぎつい下ネタとびっくりするほどの色気の無さが共存した良い作品なのでおすすめですよ。
……ん?何が言いたかったっけ?
そうそう、「男根のメタファーであるチョコバナナは何のためにアニメに出てくるか」ですね。
アニメに詳しくない人にも念の為に断っておくと、この「チョコバナナ」ネタは一種の「お約束」になってます。
僕が特別に意識してるわけじゃないんだからねっ!
なんていうか、次第にアニメファンは「チョコバナナが出ると笑っちゃう」ようになるんです。
もう、なんか「アホなシーンの典型例」なんですよ、
「ヒロインの入浴シーンで男と鉢合わせするのが事前に分かる」みたいな、そういう笑いのタイプ。
……多分、ここまで書いてピンと来ない人も結構いると思う。
大丈夫だ。
過剰なメタファーが笑いに転化する、非常に分かりやすい例がある。
僕はもうこれ何度見ても笑っちゃうんだけど、「気まずい」って感じた人も多いと思う。
実際僕も気まずかったなぁ……実家にいたとき。
で、何故これを引用したか。
もうお分かりですよね。
このCM、完全にセックスのメタファーなんですよ(ド直球)。
え?知ってた?
うん。
まああまりにもド直球で、お約束になるようなタイプでもないからそこはチョコバナナと違うけど、「露骨なメタファーが笑いに繋がる」って点では共通してる。
もう何かアクエリオンのCMについて語ってるだけで知能指数500くらい下がってる感覚になりますが……
後で大事なことに繋がってくるんで、もう少しガマンして読んでね。
そもそも「合体」っていうのが性交の隠語だからね。
釣りバカ日誌なんかそれを堂々と「笑い」のために利用してて、お約束になってる。
で、正直アクエリオンのCMには不快になった人も多いと思う。
「これはダメだろ」って思った人も多いだろう。
それには納得ができる人も多いだろう。
……じゃあ、何故……そう思うのか。
ここから非常に大事なトコロです。
メタファーがアウトになる瞬間。
それは、メタファーがメタファーでなくなる瞬間です。
メタファーが「『暗』喩」にとどまらず、直接的に別の事柄を想起させてしまう瞬間です。
だからどう考えてもセックスをダイレクトに表現してるアクエリオンのCMは笑えるんだけど、同時に不快なものでもある。
チョコバナナもやや似てる。「仄めかす」以上のことをやってるものを見たとき、僕らは「アウトだろ」って思うのだ。
……もう貼っちゃってもいいか。
流石の僕も結構引く。
だけどまあ、このアニメは「そういうなんかド直球な表現を内輪で楽しむネタのアニメだ」って分かってる人が観るものであって、それ以上のものじゃないんだよね。
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……長々と語ったけど、ここで最初のツイートに戻ってみよう。
最初のツイートは、楽器を男根のメタファーとしている。
で、それを「児童ポルノ」の文脈で語っている。
なんというか、「楽器を男根のメタファーと解釈する」っていう発想を許容するとしても、「メタファーとして成立してるのなら別にいくらでもやりゃいいじゃん。それを(ダイレクトな性の発露である)ポルノと同列に語るのは無理でしょ」としかならないのはこの辺りにある。
じゃあ非難する理由もないじゃん。
今更過ぎるツッコミだけど、そもそもメタファー以前に楽器は楽器だからね?
……いや、……そもそも……この人には「非難する」っていう発想も別にないのかもしれない。
もうただ、問答無用でアニメの女の子に性的なものを連想しちゃって、そこでポルノがどうこうってことを語る、そういったことに慣れちゃってるのかもしれない。
だとすると……真剣にこの人の発言を分析するのは最初から無駄なのだろう。
実は思い出すことがある。
大学である授業を受けた。
その授業は日本史の授業だったが、どうやら先生がある思想に「かぶれてらっしゃる」ようで……
ある日の授業中、その先生は皇族の方々の写真をスライドに映した。
皇族の方々が、赤ちゃんに笑顔を向けている写真だ。
その写真を指しながら、先生は「おっしゃった」。
「みなさん、これが皇族が新たな世代へと向ける期待の目線です」
ズッコケそうになった。
ギャグじゃない。
真剣にこう言ってるのだ。
真剣にわざわざスライドまでご用意して。
なんというか、彼らにはもう「そうとしか見えない」のだろう。
多分だけど、最初のツイートをした人も似たような感じで、可愛いアニメ絵の女の子がなにかやってたら全部性的に見えちゃうんだ。
ある意味その目持ってるのは得だな……って気もしなくもないけど。
さて、長々と語ったけど、世の中にはそういう人もいるってことだ。
それ以上でも以下でもない。
僕らは「メタファー」を「作品を楽しむための道具」として適切に使いましょうね。
メタファーは、作品を奥深くまで楽しむための「ツール」だ。先に存在するものじゃない。
ましてや「楽器は男根の代替物だ」なんて、批判のためにそこからわざと食いつくように使っちゃダメ。
何故ダメって、そこには作品に対する敬意がない。
メタファーを使った分析をするときは、作品に対する敬意を忘れずにね。
まぁこれは僕の考え方に過ぎないけどさ。
その上で「うわああ楽器くわえてる女の子エロい!!」と興奮するなら、まあ他人に迷惑をかけない範囲で自由にやりましょ。
最後にもう一つ。
最初のツイートの人が指摘してるけど、男根かどうかは別にして「楽器を男性のメタファーとして読む」っていう見方は結構オモシロイと思うんですよ。
『けいおん!』に男性が登場しないのに、百合っぽくならなくて、一種の恋愛物語らしささえ漂ってるのは、恋愛対象のメタファーとしての楽器(音楽)があるからだ、って考え方は結構面白い気がする。
長くなりそうなので控えます。
グダグダ語りましたが、今回はこれくらいで。
みんなもメタファーを利用した作品分析にハマりましょう。
映画会社の友人N君に勧められた映画だけど、この映画とか最初から最後まで全部メタファーみたいなものなので凄くおすすめですよ。
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お読みいただきありがとうございました。
ではまた次の記事で!