Midnight Note

明日はどこまで行こうか。どこまで行けるだろうか。

過去を思うことと、戻りたいと思うこと

ドーモ、Mistirデス。

最近昔のことよく思い出すんだよなー。
思い……出した!(画像略)

だけど、全く戻りたいとは思わないっていう、そんな話。

今のところ、小学校の頃より中学校の頃が楽しくて、中学校の頃より高校が楽しくて、高校の頃より大学の方が楽しいっていうそんな人生でさ。
で、「大学より社会人の方が楽しい」って、さすがにそんなことは無いだろうと思ってたら、案外その通り。今のところ「大学より社会人の方が楽しい」。

……とはいえ。まだ「社会人」っつーより「研修生」だ。だから「大学生より研修生の方が楽しい」の方が正しいかもしれない。

とにかく。僕は過去に戻りたいと微塵ほども思わない。

過去の方が良かったなどと、一切思わない。
「小学生に戻りたい」って言ってるヤツがいたら、脳みそを疑っちゃうレベルだ。
「え?50万円貰えるっていうなら10日くらい戻ってもいいけど……」って感じ。

……にも関わらず。たまに昔あったことを思い出すのはなんでだろうね?
時折、ふっと昔の匂いがするのだ。
大抵思い出すのは、しょうもないことである。
小さなデパートの記憶とか、昔行った水族館とか。

いわゆる「プルースト現象」。急に過去の「匂い」が、「手触り」が、今の自分に訪れるときってあるじゃん?

「匂い」の記憶って強烈なもんでさ、過去にガッと戻される。
しかも、奇妙なことに……

実際、その「匂い」はしていない。

「匂い」っつーと空気中の成分が鼻腔に触れることで起こるんだろうけど、この「過去を喚起させる」「匂い」っつーのは、そういうのと別の次元で起こってる気がする。
説明するのは難しいけど、何か過去を思い出す「スイッチ」みたいなのがあって、なんらかのきっかけでその「スイッチ」が押されちゃうと、「匂いの記憶」なり様々な記憶がブワッとよみがえる、みたいな。

で、何故ここまで「過去に戻りたいなんて微塵も思わない」はずの僕が「過去を思い出す」ことにこだわるのか。
もしかすると、心のどこかで「過去に帰りたい」って思ってるのかもしれない。
だけど、それじゃ面白く無いのでちょっとした仮説を立ててみる。

これは、過去が僕に呼びかけているのだと。
いきなり厨二病に入ったように思われてしまうかもしれないが、ちょっとだけ話を聞いてくれ。

僕らは、あらゆるものを「忘れて」生きてる。

過去に縛られて動けないようなオジサンも、過去の自慢だけが取り柄のオバサンも、みんないろんなことを「忘れて」いる。

「覚えていよう」と思ったことは、色褪せる。
いや、厳密に言えば「色褪せない」。むしろ「着色され」「脚色され」る。キレイな思い出は、よりキレイに。

でも、「匂い」を伴う思い出はそんなもんじゃない。「ナマのまま」「凄い勢いで」「どこかから」やってくる。
それはどっちかというと、自分の中の「忘れ去られていた」領域が、「忘れるなよ」と叫んでるんじゃないかって。

僕は「無意識」の領域を、結構重要なものとして解釈してる。
フロイトでも何でもいいが、「人間が意識できない領域」のエネルギーってものに興味がある。
「匂い」を伴う記憶ってのは、間違いなく「無意識」の産物だ。
「無意識」が「意識」にはたらきかけてくる瞬間。

なぜそのような「瞬間」があるのだろう?
その理由を「意識」で考えてもどうしようもない。

だけど、それは僕らに備わった何かとてつもなく大事な機構なのかもしれない。
「忘れるな」と呼びかける、僕らの無意識。
「忘れてはならないぞ」と。


やっぱり、根っこにある部分はわからない。なんでそんな現象が起こるの?
過去の自分が今の自分を諌めてるのかもしれない。それとも、別の理由かもしれない。

理由は何であれ。
僕はこれからも、あらゆるものを「忘れて」生きていくことになる。
だから「この現象」は、ちょっとだけ大事なのだ。

ではまた次の記事で。